この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている



 * * *


空澄(あすみ)
 彩珠(あじゅ)はどうしたんだよ。
 一緒じゃねぇのか」


 いつものように。
 来た、『心が呼吸できる世界』に。


 そうして。
 入る、部屋に。

 そうすると。
 訊かれた、さっそく。
 凪紗に。


「彩珠は……連れて行かれた。
 彩珠の親父さんに」


 俺が言った言葉に。
 凪紗と心詞(みこと)と響基は。
「えぇっ⁉」
 そう声を出して驚いている。


「連れて行かれた、って、
 彩珠の家にってことか?」


「あぁ。
 彩珠の親父さんが
 嫌がる彩珠を無理やり家に連れて帰らせた」


 泊まっている、彩珠が俺の家に。


 そのことは。
 話してあった、凪紗や心詞や響基には。

 だから。
 できている、話すことが。
 細かい説明をしないで。


「無理やりだなんて、
 彩珠の親父、許せないな」


 俺の話を聞いた凪紗は。
 滲ませている、怒りを。


 心詞と響基は。
 している、悲しげな表情(かお)を。


「それで、
 今から話しておこうと思うことがある」


 決意した、俺は。







 家に帰り。
 ゆっくりと時間をかけ。
 取り戻した、冷静さを。

 そのとき。
 思いついた。





 この方法は。
 限らない、成功するとは。



 だからといって。

 何もしない、このまま。

 それは。
 嫌だ、絶対に。


 だから——。


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