この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている

惺月さんは……。




「そういえば、
 惺月(しずく)さんのことなんだけどさ」


 今は。
 食べている、食後のデザートを。

 そのとき。
 神倉さんがそう話を始めた。


「なんか謎が多いよな。
 ミステリアスというか」


 確かに。
 神倉さんが言うように。
 謎に包まれている、惺月さんは。
 そう思う。







 女性。
 わかる、そういうことは。


 だけど。
 わからない、年齢は。

 見た感じは。
 見える、二十代前半に。





 それから。
 惺月さんの正体。



 惺月さんは。
 現実の世界とは違う。
『心が呼吸できる世界』
 生活している、そういうところで。

 ということは。
 惺月さんは……人間……ではない……?


 そうだとすれば。
 惺月さんは一体……?


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