この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている
二番目に話を始めたのは佐穂さん。
佐穂さんは。
クラスメートたちから集団無視されるようになってしまった。
その理由は。
わかった、すぐに。
それは。
クラスメートのある女子たち三人の仕業だと。
その女子たち三人のうちの一人が。
佐穂さんの幼なじみの光居くん。
その男の子のことを好きで。
警告していた、佐穂さんに。
『光居くんと親しくしないで』と。
それでも。
佐穂さんは。
仲良くしていた、光居くんと。
そんな佐穂さんのこと。
気に入らなかったのだろう。
仕向けた、女子たち三人は。
クラスメート全員に。
無視する、佐穂さんのことを。
そのように。
女子たち三人は。
強い、立場が。
クラスの中で。
言うことをきかなければ。
どんな仕打ちをされるか、わからない。
だから。
クラスメートたちは。
なっている、言いなりに。
女子たち三人の。
辛い、集団無視は。
だけど。
佐穂さんにとって。
もっと辛いのは。
仲良くしているクラスメートの女の子二人。
その子たちにも無視されてしまったこと。
仕打ちをされる、女子たち三人に。
そのことが怖くて。
できない、逆らうことが。
その気持ち、わからないでもない。
だから。
思った、佐穂さんは。
一人で耐えようと。
この辛くて苦しい現状を。
だけど。
耐えることができなくなり。
とうとう学校を休むようになってしまった。
学校を休んだ初日。
見た、佐穂さんは。
『心が呼吸できる世界』
そこに繋がる真っ白な光の出入り口を。
佐穂さんは話を終え。
「私の話はこんな感じかな」
そう言った。
そんな佐穂さんのブレスレット。
している、やっぱり。
真っ赤な色を。