この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている
四番目に話を始めたのは那覇。
那覇は。
濡れ衣を着せられる。
なぜそうなったかというと。
助けた、那覇は。
体育館裏で三人の男子生徒からイジメられている一人の男子生徒のことを。
そのあと。
その場に残ったのは。
那覇とイジメていた三人の男子生徒。
那覇は三人の男子生徒に。
『もう、こんなことをするな』
そう言った。
そのとき。
『どうしたんだ』
そう言いながら。
通りかかった、先生が。
そうしたら。
三人の男子生徒のうちの一人が。
『この人がイジメてくるんです』
そう言いながら。
指差した、那覇のことを。
泣きそうな表情をして。
那覇は。
言われてしまった、先生に。
『ダメだろ、そんなことをしては』と。
たぶん。
巻き込まれたくなかったのだろう、先生は。
面倒なことに。
那覇に濡れ衣を着せた男子生徒。
彼は理事長の孫。
そのことは。
学校内で有名な話。
権力——。
その大きな圧力が。
傷つけた、深く。
那覇の心を。
その翌日から。
学校を休むようになってしまった。
学校を休んだ初日。
見た、那覇は。
『心が呼吸できる世界』
そこに繋がる真っ白な光の出入り口を。
那覇は話を終え。
「俺の話は以上だ」
そう言った。
さっきも見た、那覇のブレスレット。
している、やっぱり。
真っ赤な色を。