この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている



「あっ、
 俺、こっちだから」


 空澄(あすみ)の話。

 興味があり。
 楽しかった、ものすごく。


 それだからか。
 あっという間だった、時間が経つのは。



 示した、空澄は。
 私が帰る道と違う道を。





「また今夜」
 私と空澄はそう言い合い。
 歩き出す、お互いの帰り道を。


「空澄」


 無意識だった。

 気付いたら。
 呼んでいた、空澄の名前を。



 私の声に気付いた空澄は。
 振り向いた、穏やかな表情(かお)で。


 見た、そんな空澄のことを。

 そのとき。
 なぜか。
 した、ドキッと。


「ありがとう」


 私がそう言うと。
 空澄は。
「なにが?」
 そう言って。
 している、不思議そうな表情(かお)を。


「素敵な話を聞かせてくれて」


 そのおかげで。
 できた、知ることが。

 見る、空を。
 そのことの喜びや楽しさを。


「空澄のおかげで
 空を見ることに興味が出てきた」


「それは良かった。
 彩珠(あじゅ)にそう言ってもらえると嬉しいよ」


 空澄の笑顔は。
 本当に嬉しい気持ちが溢れていて。

 その笑顔を見ている私も。
 嬉しい気持ちになった。


< 67 / 198 >

この作品をシェア

pagetop