狂愛〜虎を照らす月〜
プロローグ
「ハァッ、、ハァッ」
あつい。
あつい。
身体が燃えそう。
疼く。
訳もわからず早くどうにかして欲しくて、必死に目の前の彼にしがみつく。
「大丈夫だ。すぐ楽にしてやる」
彼の正体も知らないまま、打ち付けられる快楽にあらがうこともできずに、鳴く事しかできない。
むしろ、本能のままに、このまま快楽に素直に溺れたい。
何度も何度も、天を仰いだ。
絶対に、交わることの無い人だとも知らずに。