狂愛〜虎を照らす月〜
そしてハッとする。
私、声出しちゃってる!!
慌てて口を押さえた。
すると岳は、私の手を口から外して、手を繋いでベッドにそのまま縫い付けた。
「アッ、、、、んっ、、、声がっ、、」
私は必死に耐える。
でも、でちゃう、、
「クッ、、深月。声。
聞かせろ。
大丈夫だから。
この部屋は離れにあるから。
組員は近くにいない。
泣こうが喚こうが聞こえない」
そうだったの!?
「んっ、、、、ハァ、、、アッ!」
そして、何度も何度もあの日のように。
むしろ、あの日よりも更に熱く、抱き合った。
気絶しそうな私を、岳はお構いなしに起こしてまた抱く。
そして、やっと眠りにつく頃言われた。
「明日は俺が起きるまで、帰るなよ」
「わかってる」
私は、ウトウトしながら答える。
「クククク!逃げても逃さねぇけどな。
深月。愛してる」
「ふふふ。岳。かわいい」
そう言う私のオデコに、
「ったく。」
と言ってチュっとキスをして、私を抱きしめて、私をあやすように髪を撫でる。
「おやすみ。深月」
私はそのまま、幸せな疲労感と共に夢の中へと入ったのだった。