狂愛〜虎を照らす月〜
俺も深月に向かって言う。


「龍虎会が東の進藤組 若頭 進藤岳。
この名において、お前を愛し抜く。
この命、尽きるまで、生涯お前を守る。
俺と、結婚してくれ」


「はい。よろしくお願いします」


深月を引き寄せ、抱きしめる。


「深月。よく聞け。この先、俺と結婚した事でお前が危ない目に遭う事がないとは言い切れない。
でも、でもだ。絶対助けに行く。絶対に。
だから、俺を信じてなんとか耐えるんだ。やれるだけ、少しでも抵抗しろ。けして諦めるな。」

女は弱い。
狙われやすい。
それでも、抵抗すれば少しは違う。

深月はハッと目を大きく開ける。

そして、フッと笑った。

「うん。絶対に、この体は守る。抵抗してみせるね」

そう言った。



「抱いていいか?」


「私も。岳を感じたい」


それを合図に、俺たちは意識の続く限り抱き合った。
お互いの気持ちを確認し合うように。
強く。強く。


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