狂愛〜虎を照らす月〜
「クククク。飯が先だな。ちょっと待ってろ」

そして、岳は部屋の入り口についている電話でどこかにかけた。

「今から2人いいか?ああ。わかった」

ん?
終わり?

「着替えたら食堂に行くぞ」


「食堂もあんの?」


「ああ。大広間でも食べるけど、全員は座れないし、交代でとったりもするから、食堂も別である。どうしても、夜なんかは食べる時間もバラバラだからな。」


「なるほど」

一度、家をちゃんと案内してもらわないとな。

「どれ、着替えんぞ」

そう言って、岳が用意した下着と朔さんが用意した服に着替えた。

「ねぇ。下着もだし、服もだけど」


「ああ。どうした?」


「一体何着用意してんのよ」

そう。
いつ私が来るかもわからなかったはずなのに、すでにここで暮らせるくらいの量が用意されていた。

せいぜいあっても2セットくらいと思ってた。


「いや、好みもわかんねぇしなぁと思ってな」

「それにしてもさ」

「俺、あんなに真剣に選んだの初めてだったから、楽しかったわ。ははは。」

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