狂愛〜虎を照らす月〜
「うん。耳が麻痺してて。
急に何も聞こえなくなっちゃったの。
クラブの音も、振動だけを感じて、スタッフとか紗理奈の声は何も聞こえなかった。」


「そんな事になってたのか、、」


「でもね、あの時、何故か岳の声だけは聞こえたの。」


「え?」


「岳の声だけは、私に届いた。
だから、この人に助けて欲しい。
なんとかしてほしい。
抱いて欲しい。って思ったの。」


「深月、、、」


「何回か、その、、絶頂迎えて、、
確かに今思えば、落ち着いてはいたかも知れない。
でも、止まらなかった。
ヤバすぎだよね。私。
もともと、その、、行為自体、そんなに経験もなかったんだけど。」


「そうなのか?」


「うん。3回くらいしかなかったよ。それも、全然いいと感じた事なかったし」
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