狂愛〜虎を照らす月〜
「だから、あの時の辛さは俺もわかるから。
尚更、ほっとけなかった。
男は、自分でいくらでもどうとでもできるけど、女は無理だろ。
それに女のほうが、ああいう薬は効きが強いから」


「そうなんだ、、
あの時、来てくれたのが岳で良かった」


「ああ。いつもならあの店には行かないんだ。
たまたまだったんだよ。
んで、俺あそこのオーナーだから、VIPに顔だけだすつもりだったんだ。
そしたらすぐに、お前の身体に異変が起きて駆けつけたんだ」


「私じゃなくても、抱いた?」


「いや。あり得ないな。
たぶん、他の組員にどうにかさせたか、そのままなんとか家まで送るかの対応とっただろうな」


「んじゃなんで私は、、」


「お前、親父のとこに行った時聞いてなかったのか?」


「え?」


「ったく。一目惚れしたんだよ。お前に。
だから、ほっとけなくて抱いたんだ。
そうじゃなかったら、俺自らどうにかするなんて事は、あり得ない」
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