狂愛〜虎を照らす月〜
お酒も進んで、本当に楽しい。


岳も終始にこやかにしていて、すきあらば組員達の目を盗んではキスをしてきた。


夜は花火もした。


こんな風に、ワイワイできると思っていなかった私は、楽しすぎてさんざん騒いで、帰りの車ではすっかり岳の肩を借りて、眠ってしまった。

3人が私の話をしているなんて知らずに。


「兄貴。深月ちゃんの運転、ヤバかったな」


「ああ。クククク。下手過ぎて死ぬかと思ったな。助手席ヤバかったぞ」


「ははは!見事な急発進急ブレーキで、俺たちもいちいちヒヤッとしたわ。頭何回ぶつけたかわかんねぇよ」


「あれじゃ、濱田んとこも運転させないわけだ」


「むしろよく、深月ちゃん免許とれたよな」


「だよな。また深月さん運転させろって言うかな?」


「阻止しろ」


「ははは!深月さん、駄々こねたら?」


「、、、。」



「クククク。本当に兄貴、深月ちゃんには甘いよな」


「ああ。かわいくて仕方ねぇ」


「良かったな。兄貴。深月ちゃんと結婚できて」


「ああ。お前らも、ありがとな。頼むな」
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