狂愛〜虎を照らす月〜


それでも、身体が言う事をきかない。

何もできない。

ぐわんぐわんと視界が歪む。


あつい。


疼く。


もっと。


もっとして。


彼の正体も知らないまま、打ち付けられる快楽にあらがうこともできずに、鳴く事しかできない。

むしろ、本能のままに、このまま快楽に素直に溺れたい。


何度も何度も、天を仰いだ。


意識がなくなるまで。
ずっと。
彼は私を離さなかった。
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