狂愛〜虎を照らす月〜
2〜岳side〜
「若。

VIPルームへご案内しました」

スタッフとして働く組員が俺を呼ぶ。


「ああ。ここが片付いたら行く」



ったく。








ここは、俺がオーナーを務めるクラブだ。


今日は、イベントがあっていつもに増して賑わっている。


スタッフルームのデスクで作業をしていると、フロアで外人が女性客に絡んでいるとの事で、もしやと思い外人の顔をモニターで確認する。


やっぱり。


最近うちの島の近くで、違法薬物ではないが、何やら催淫剤に近いのを飲ませて、女性を襲ってるヤツらだった。

俺の店でそんな事は許さない。
うちの組は、薬は御法度だ。


違法ではないにしろ、とっとと捕まえて、仕置きだ。
2度とうちの島には近づく事が出来ないように。


そして、その絡まれた女性客をVIPに案内させた。


いちおう、オーナーとして顔を出さないと。
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