狂愛〜虎を照らす月〜
14〜岳side〜
結局、我慢できずに抱いてしまった。
髪もメイクもドレスも少し崩れてしまう羽目になって、深月はご機嫌斜めちゃんだ。
今は、パーティーに向かうため、車に並んで座っている。
「深月」
「、、、、。」
「ごめんて。ほら、せっかくのドレスが、そんな顔してたら、台無しだぞ?
かわいいけど。」
「、、、、。」
「あ、そういう事?」
深月は顔だけ俺に向けた。
どういう事よ。って、顔で。
「なんだよ。お前。足りなかったのか?」
「んな!?違うわよ!!」
なんだよ。違うのか。
当たったと思ったんだけどな。