狂愛〜虎を照らす月〜
「岳のせいだよ」

岳が腰を動かし始める。

「俺のせいか。お前をこんな風にできるのも俺だけだよな」


「そう、、だよ、、んッハァ」

だんだん速くなる。

「ンッ、、岳も、、でしょ?」


「ああ。俺をおかしくさせるのは、お前だけだ。」

そう言ってキスをしてくる。
乱れ始める呼吸。

「ンッ、、、」

全部気持ちいい。
全部。
岳の腕の中にいると、幸福感に包まれる。

体温も、肌も、全て。

ピタっとはまる感じ。


絡み合う視線。

綺麗な瞳で私を見つめる岳は、本当にカッコよくて、妖しく艶めきだっている。

優しい瞳の奥は、ギラっとしていて、獣が隠れているかのようだ。

この瞳の前では、狙われた獲物の如く、身を委ねるしかなくなってしまう。

逃げ道を塞がれ、運命を受け入れる獲物のように。


そして、宣言通り、岳は朝まで私を寝かせてはくれなかった。

まどろむ中で、岳が愛してると言ったのを最後に、幸せに包まれ眠りについた。
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