狂愛〜虎を照らす月〜
「そろそろ時間じゃない?」

「そだね!!いこー!!」

そう言って、ショッピングモールの地下にある映画館へ向かう。

繁は、何処かに連絡をしているようだ。


「透も繁さんも、一緒に見るの?」
紗理奈が透さんに聞く。

「いや、俺たちはシアター前で待ってるよ。ゆっくり見てこい」
透さんが、紗理奈に優しく微笑む。

ははは。ラブラブだなぁ。
早く結婚しちゃえばいいのに。

なんて思っていれば、繁も戻ってきた。


「お嬢。一緒に入りましょうか?」

繁は一緒に見るつもりだったらしい。


「いや、いい。透さんもシアター前で待ってるって言ってるよ?」


「そ、そうですか。わかりました。お気をつけて」


「ははは!目の前じゃん!んじゃ、ちょっと待たせてごめんだけど、行って来るね」


「はい」

そう言って、シアターの入り口前で別れた。
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