狂愛〜虎を照らす月〜
「楽しかったぁー!!」


「今回も、間違いなかったね!!」

なんて言いながら、シアターの扉を抜けた。


「あれ?2人は?」

繁と透さんがいない。


「え?どこ行った?」


「あ、ここ地下だから電波悪くて、一旦出たのかな?」


「かもね!まずトイレ行こ!」


「だよね!映画観た後絶対行くよねー!」


なんてのんびり会話をしながらトイレを済ます。


「どれ、2人戻ってきてるかもしれないから行こうか!」


「そだね!」


そしてトイレを出れば、他のお客さんはスッカリいなくなっていて、やっぱり繁達もいなかった。


何かおかしい。


私達は顔を合わせて携帯を取り出し、連絡をしようと下を向いた瞬間、


後ろから薬品のついたハンカチで何者かに口を押さえられた。


ヤバい。


そして、気を失う瞬間、紗理奈も同じく口を押さえられていたのが見え、やり返す間も無く気を失った。
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