狂愛〜虎を照らす月〜
「まぁ、あんなもんだ」


俺も大暴れしたい所だが、深月の救出が1番だ。


「行くぞ」


「私も混ざっ


「ダメだ。帰るぞ」

何言ってんだコイツは。
興奮してんだな。


「わかった」


「何もされてねぇか?」


「大丈夫」


「そうか。遅くなって悪かった」


「信じてたから。助けに来るって。約束したから」

深月は、さっきまでギラついていた目が、だんだんと落ち着きを取り戻し、目に涙を浮かべる。

「ああ。よく1人で耐えた。よく守った。」

俺はなんとか笑顔をつくる。

「うん。」


俺はそんな深月を抱えて抱き上げ、外へ出た。

歯を食いしばって。

泣きそうになる深月を見たら、余計にこんな目に遭わせたあいつらが許せなくなった。


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