狂愛〜虎を照らす月〜
俺は、進藤 岳(しんどうがく)。
東の街を取り仕切る龍虎会。

生まれた時から生粋の極道だ。

俺の組は龍虎会のトップに君臨する
"進藤組"。


そして、俺はそこの若頭。
なるべくしてなった。


"中村 深月"と言ったな。
うちに、中村はいないはずだ。

一般人だよな?
住む世界が違う。
こちら側に連れてきてもいいのかどうか。

調べてから、考えるか。

これからどうすっかな。
ここに置いていくわけもいかない。

とりあえず、連れて帰るか。


そして、俺は迎えを呼んで、眠る彼女を抱き抱え、車に乗せる。


運転手も朔も驚いた顔をしている。


それもそうだろう。
俺は、女が嫌いだ。


ましてや、家に連れて帰るなんてした事もない。

自分でも、何でこんな事してるのかわからない。






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