狂愛〜虎を照らす月〜
そして、進藤組の屋敷に車が入っていく。

真夜中ともあって、出迎えたのは夜の当番の数人だけだった。

朔に声をかける。

「黙らせろ」

「承知」

出迎える時は、でけぇ声で叫ぶからなコイツらは。
深月が起きちまう。

俺から朔が、深月を運ぼうと手を伸ばす。

「触んな」


「ッッ!?失礼しました」


俺はそのまま、深月を抱き抱え自分の部屋に連れて行く。


組員が、ソワソワしながらついてくる。


ったく。
ついてくんなよ。


無理か。

コイツらはいつも通りにしてるだけだもんな。


部屋の前までつけば、扉を開けられる。


「下がれ」

「承知」

そのまま部屋に入って、いったんキングサイズのベッドに深月をそっとおろした。
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