狂愛〜虎を照らす月〜
「うん。岳も、すぐに来てくれて、ずっと側にいてくれてありがとう。」
深月はフワっと優しく微笑み、腕枕をして抱きしめる俺を見上げる。
「ああ。もう、大丈夫だからな。ゆっくり休め」
そう言って、キスを落とした。
深月はまた微笑み返す。
無防備な、笑顔で。
愛しい。
まさか、さっきまで大暴れしていた女には見えない。
俺が駆けつけた時の、敵に向ける鋭い視線すらも、俺には美しく見えた。
深月の強さに救われた。
結局俺は何もできなかったから。
「深月。愛してる」
「私も。愛してる。岳」
そう言って深月は、顎をクイっとあげてキスをねだる。
かわいい。本当に。
俺は、チュッとキスをまた落とした。
そして、2人でぴったりくっついて、目を閉じた。