狂愛〜虎を照らす月〜




しばらくぐるぐるしていると、やっと誰かいた。


「あ、あの。すみません」


その人が振り向く。

そして、大きく目を広げた。


「あ。おはようございます。若は?」


若!?


ゲ!!
そっち!?
なんとなーく同業者かなともうっすら思ったけど、やっぱりどこかの組員だったか!!
まずい!!
しかも、若!?
若頭って事!?

「あ、着替えをもらって、着替えたら、帰っていいと言われたんです。あとは、起こすなと」

咄嗟に嘘をついた。


「なるほど。そういう事でしたか。私は若の側近の朔と申します。どうぞこちらへ」


つ、通じた。


「ありがとうございます。昨日は大変ご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。」


いちおう、言っとく。


「いえ」


朔と言った彼は、どこかのビジネスマンのような感じではあるが、やっぱりオーラが出てる。


だよね、、、。


ちょっと冷たそうで怖いな。
< 37 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop