狂愛〜虎を照らす月〜
しばらくぐるぐるしていると、やっと誰かいた。
「あ、あの。すみません」
その人が振り向く。
そして、大きく目を広げた。
「あ。おはようございます。若は?」
若!?
ゲ!!
そっち!?
なんとなーく同業者かなともうっすら思ったけど、やっぱりどこかの組員だったか!!
まずい!!
しかも、若!?
若頭って事!?
「あ、着替えをもらって、着替えたら、帰っていいと言われたんです。あとは、起こすなと」
咄嗟に嘘をついた。
「なるほど。そういう事でしたか。私は若の側近の朔と申します。どうぞこちらへ」
つ、通じた。
「ありがとうございます。昨日は大変ご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。」
いちおう、言っとく。
「いえ」
朔と言った彼は、どこかのビジネスマンのような感じではあるが、やっぱりオーラが出てる。
だよね、、、。
ちょっと冷たそうで怖いな。