狂愛〜虎を照らす月〜


「ま、まさか、、、俺、、やっちまった?」


俺は、朔の頭を叩いた。


「お前、何年目だ?俺について。
バカか?初歩的な事だろ」


「え!?まぢで!?か、彼女、俺にも律儀に謝ってきて、兄貴にもよろしくって、、全く殺気を感じなかったから、、」


朔の敬語が流石に崩れている。


「おい。今回はともかく。

お前、俺以外の言う事を無闇に鵜呑みにすんな。

もしだ。
もし、今後、別な女でも来たとして、そいつが他の組の回しもんだったらどうするんだ?

お前は、俺に起こすなと言われたからって、知りもしない、その女をのこのこ帰すのか?
俺が、部屋で刺されてたとしても、その女の言葉を鵜呑みにして様子も見に来ないつもりか!?あ!?」


「いやいや!」


「肝に銘じとけ」


「承知!」


「ったくよ。最近何もないからって、たるみ過ぎだ。」


クソッ
逃しちまった。


まさか、朔に嘘をついて逃げるなんて思いもしなかった。


まぁ、いい。
どうせすぐ見つかる。
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