狂愛〜虎を照らす月〜
そして言われた通り、ウィッグを外して、クシャクシャっと髪をほぐして、適当にまたまとめた。


「深月ちゃん。俺、兄貴の弟で、若頭補佐の陸。よろしくな」

助手席から、笑っていた彼が名乗った。
やっぱり。
弟さんだったんだ。


「よ、よろしくお願いします」

私はペコっと頭を下げた。
実は人見知りの私。


「深月さん。お久しぶりです。改めまして、若頭側近の朔です。よろしく」

運転席からは側近の朔さんが話しかけてきた。
こないだと雰囲気が違う。
冷たい感じがない。


「先日は、どうも。お世話になりました。よろしくお願いします」

私はまたペコっとする。


「なぁ、俺と扱い違くねぇか?」

岳さんに言われる。


「ヘ?」

あれ?確かに。
岳さんは何でか、、、

やっぱり、抱き合った仲だから?

そんな事ある!?

単純すぎないか?私!!
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