狂愛〜虎を照らす月〜



移動中も、前の2人がワイワイ騒いでいて、たまに岳さんも混ざる。

なんだか、聞いてるだけで楽しい。


そして、私は横目で岳さんを見る。

長い足。
身長高そう。


岳さんの手、岩みたい。
すごく大きい。
ゴツゴツと節が出ていて、血管も浮き出ている。
拳は凶器みたいだ。
耳も潰れている。
やっぱり、相当訓練してきてるんだよね。


陸さんも朔さんも、同じだった。
兄達みたいに。


そう言えば、岳さんの背中にも何かあんのかな?

なんだかんだで、背中は見えなかったからな。

今後、見る機会はあるのだろうか?
あるわけないか。

こないだのは事故だ。
岳さんは、なんだかんだ優しいから、私を助けてくれただけだろう。


今日だって、たまたま同じ同業だったという事で、様子見がてら食事しに行く感じみたいだし。





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