狂愛〜虎を照らす月〜
「なんでよ」

コイツはサッパリだよな本当に。
何で俺がこんな風に、飯に連れてきたのかもわかってねぇ。

普通に考えて、あり得ねぇだろ。
傘下の娘を連れて歩いてんだぞ?

気づけよ。


朔も陸もまた、肩揺らしてやがる。


「いいから。朔。出せ」


「ははは!ほーい」


「ちょっと!!」


「うるせぇ。決まりだ」


「もう!!」
深月は諦めたらしいが、ふくれてる。


クククク。
怒った顔もかわいいな。

俺がニヤニヤしてれば、

「ニヤニヤしないで!」
怒ってる怒ってる。


「ははは!せいぜいドキドキしとけ」


「んな!?」
深月は顔を赤くした。


「兄貴ー。ほどほどになー」
なんて、陸が言う。


「陸さん!!そんなんじゃないから!!」
深月が反撃している。


「はいはい。深月ちゃん、がんばれー」
陸のやつ、完全に面白がってんな。





< 81 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop