狂愛〜虎を照らす月〜
「諦めろ」


深月は、ムムっと飲み込んだ。


「ちなみに、俺が選んだぞ」


「い、言わなくていい!!」


「はははは!楽しみだな深月」


「やめてってば!!」


「深月」


深月は顔だけ俺を見た。
キスしたい。


無理か。コイツらいるしな。


そして、俺は諦めてフッと笑った。


「何よ」

深月も、前を向いた。


朔と陸はまた肩を揺らしている。

ったくよ。


「もうすぐつくから」
我慢しろってだろ?
朔が笑いを堪えている。

はぁ。俺は足を組んで窓の外を見た。


「兄貴、今日はたくさんストックあるからな。」
陸がバカな事を言う。


「うるせぇ。」


チラッと深月を見れば、何のことかわかっていないようだった。


まぁ、後で嫌でもわかるだろ。


< 83 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop