桜姫は花と共に散る
この時に思ったんだ。
1人が笑うだけで周りも自然と笑顔になるんだと。



それからは、笑える時は笑顔でいる事を心がけた。



時期的にはその頃からだったか…僕の周りに女子が集まるようになったのは。



周りに集まる女子達はなぜかきゃーきゃー騒いでるしいつの間にか"王子"とあだ名をつけられてしまった。



王子というあだ名をつけられてからというもの…いつの間にか僕は常に笑顔の仮面をつけるようになってしまった。



なにか悲しいことや辛いと思うことがあっても、その感情とは裏腹に出てくるのは笑顔。



もう…疲れてしまったんだ。笑顔しか出せないのが。



母さんが準備できたら下に降りてらっしゃい、という言葉にすぐ行くよと返しカバンを持って自室の扉を開けた。



─…。❀·̩͙…─…。❀·̩͙…─…。❀·̩͙…─…。❀·̩͙…─



階段を降りて母さんがいるであろうリビングに行くと、母さんは入学式の支度で忙しそうにバタバタしていた。



「母さん、おはよう」



「あぁ湊大、おはよう。朝ごはん準備してあるから食べなさい」



うん、と返すと洗濯物干さなきゃと早足で洗面所に向かって行った。
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