桜姫は花と共に散る

桜姫との出会い

学校へ着くと、同じ入学生であろう人や大人たちがたくさんいた。



受付待ちの人に並んで僕も母さんと一緒に列に並ぶ。



「はぁ〜、ドキドキするわね…、湊大は何組なのかしら」



母さんはちょっと緊張したようで少し身体が固まっているように見えた。



なんで母さんが緊張してるんだ…、と苦笑しているが僕も多少緊張してるからあまり人の事は言えない。



ふと辺りを見渡してみると、校庭に植えられている1本の桜の木が目に止まった。



桜の木だ…咲き始めか？



その木にはチラホラとピンク色の小さな花が咲いている。



なぜか分からないけどあの木に惹かれる、ような…？



「宮野湊大さん」



あ…やべ、もう順番回ってきたのか。



受付の人に呼ばれてハッと現実に意識を戻された。



はい！っと返事をすると受付の人に入学おめでとうと書いてある札がついた花のコサージュを左胸につけてもらった。



「それでは新入生は各クラスの教室に、保護者の方は体育館へ進んでください。通路に体育館への通路を掲示をしてあるのでそれに従って進んでください」