パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 父もすっかり恭弥さんと打ち解けて、店の話をしたり、和菓子を勧めたりと和やかな時間が過ぎて行った。

 弥生も終始楽しそうで、恭弥さんの膝の腕の中で最後は寝てしまった。

「恭弥君、隣が咲良たちの部屋だから、弥生を寝かせてくれる?」

「わかりました」
 そっと壊れ物の様に、弥生を抱き上げ愛しいという気持ちを隠すことなく見つめる彼に、心の中がジーンと熱くなる。

 こんな日が来るなんて思っていなかった。そして、私たちの眠っている和室に、弥生を寝かす。ふたりで弥生の寝顔を見る日が来るなんて思ってもみなかった。

「咲良、ありがとう」
お礼を言われることなどないと、静かに彼を見てから少し目を伏せた。
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