パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 まだ二十時すぎ、本当はもう少し彼と話したりしたい。そんなことを思ったが、自分からそんなことを言えるわけもなく、私は恭弥さんに小さく頭を下げる。

「おやすみなさい」

 そう伝えて少しだけ後ろ髪を引かれる思いで、部屋の中へと入った。

 部屋にある大きなお風呂に弥生と入り、ベッドに入ると弥生はすぐに眠ってしまった。

 私は今日のことをいろいろ思い出してしまう。そして、昔のことも。

 初めて彼を元樹の家で見かけた日、そしてそれからずっと目で追っていたこと。

 そして、夢のような一夜から、一気に奈落の底に落ちた気持ちになった日。


 そして、今。

 これからどうなるのだろう。そっとベッドを抜け出してソファに座って庭と夜空に浮かぶ月を見上げた。




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