パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 素直に言葉が零れ落ちてしまい、慌てて口元を手で押さえるが出てしまった言葉は取り消せない。

「仕事の俺では考えられないな。でも、ふたりとは言葉が足りなくてすれ違ったから、もう遠慮はしないことにした」

 サラリと爆弾発言をした彼は、オーディオから流れる曲を口ずさんでいる。
 あの日、遊びで元樹と付きあっていると思った彼が、私の誘惑にのっただけの話だ。元樹に見合いをさせるために。

 それなのに、何がすれ違ったというのだろう。
 少しの渋滞を抜け、海沿いにでると弥生は声を上げて嬉しそうにしている。

 私もテレビだけで見ていた場所にテンションが上がってしまう。

「弥生、あの中におさかなさんいるんだよ」

 建物を指さして興奮気味で話している自分に、はしゃぎすぎている気がしてハッとする。
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