パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
「咲良、今まで何も俺はできなかったんだ。これぐらいさせて」
 この一カ月、なんでもこの言葉で片付けてしまう恭弥さん。もちろん、私は無職で両親のすねをかじって生きている。だから、確かに余裕があるわけではない。

「いいんですか?」
「ああ、俺がしたいから付き合ってもらってる」
 気にさせないように言ってくれていることはわかるが、なかなかそれでいいのか不安になる。
しかし、ここは甘えていいかもしれない。そう思うと、「ありがとうございます」と頭を下げた。

「どういたしまして」
 嬉しそうに笑う彼に、私は小さく息を吐いた。
 初めはおとなしくベビーカーに乗っていた弥生だったが、広い場所に興奮気味に、ベビーカーを乗ることを拒否して、歩きたいと催促する。

「弥生、おいで」



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