パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 弥生と一緒に他にいった彼に、感謝しつつのんびりと好きな水槽を見て過ごす。

 こんな穏やかな時間、忘れていたな……。

 毎日が生きることだけで一所懸命で、自分の好きなことなんて忘れていた。ぼんやりと少しした後、振り返りふたりの姿を探す。
 大水槽の前で抱っこされた弥生が、一生懸命に恭弥さんに何かを伝えようとしているようだった。

 それを本当に愛しいという顔で答え、抱きしめる彼。

 私はともかく、彼は弥生を本当に愛してくれている。そう思えた。
 私は彼から愛されなかったとしても、弥生のために一緒にいることが正しい。そう思えた。

「あっ、ママ」
 恭弥さんが私に気づき、弥生に声をかけると、弥生は満面の笑みで私に手を伸ばしてくれる。
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