パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
その手に抱いた温もりに、生まれて初めて感じる喜びと、誰にも譲りたくないと思う怖いほどの自分の感情。
きっと俺の方が君を先に見つけていた。
「抱いているのは誰がよく覚えておけ」
そんな陳腐にも思えるセリフだが、心からの想い。
どんな罰を受けようが、俺は諦めない。そう思うのに、それは許されないのではないかという疑念が頭を過る。
ーーーどうして君は帰らなかったんだ? まだ逃げられたのに。
そんな思いを込めつつ、目の前に透き通るほど美しい瞳を見つめても答えはみつからない。
好きだとも、愛してるとも伝えられない俺は、ただ君の名前を心の中で何度も呼んだ。