パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 ゆっくりと振り返ると、そこには一台の海外製の高級車が。夕日スポットだから景色でも見るのかと私が歩き出した時聞こえた声に私は心臓が止まるかと思った。

「咲良」

 嘘でしょ……
 
 どうして今更。こんな偶然なんてありえない。


 ハザードランプを付けて降りてきた人は、相変わらずすごいオーラを放っていて、無意識に一歩後ずさる。
 そしてすぐに私は走り出した。それは計算したものではなく、なぜか彼から逃げなければと咄嗟に思った。しかし、サンダルが引っ掛かり転びそうになってしまう。

 支えられるように手を掴まれて、私は驚いて彼を見据えた。

「子供は!?」

「どうしてそれを……」
 
 つい零れ落ちてしまったそのセリフ。
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