パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 そこへ、道路をふさいでいた彼の車に、後ろから来た車がクラクションを鳴らす。

「咲良、お願いだ。話がしたい」

「私はありません」
 即答すると、恭弥さんは何かに耐えるような表情を浮かべた。


「話し合いに応じてくれなければ親権を争ってもいい」
 想像もしていなかったそのセリフに私はキッと彼を睨みつけた。

「信じられない……」
 血が滲むほど私は自分の手を握りしめていたと思う。こんな人をずっと思っていた自分に嫌気がさす。

「何時なら出られる? 迎えに行く」
「やめて!」

 実家に迎えに来られれば、この人のことを根ほり葉ほり聞かれるに決まっている。両親にこのことを知られたくない。

「二十一時に駅前で」

 それだけを絞り出すと、彼は「わかった」そういうと、車へと戻って行った。
 


 どうして? どうして今更……。

その言葉を繰り返した。


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