パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 なんのことがわからず聞き返す元樹を俺はまっすぐに見据える。

「今度こそ、間違えるわけにはいかない。どうしたら俺は咲良に償えるかわからない。元樹の彼女を奪っておいて都合がいいこともわかっている。でも、あの後、俺は咲良とお前はまたやり直すと……」

「兄貴!!」
 急に遮られたその言葉に、俺は言葉を止めた。

「兄貴!何を言ってるんだよ! 俺は咲良とつきあっていたことなんてない」

「は?」
 かなり間抜けな声が出たと思う。元樹と付き合っていない?

 言われた意味がわからない。
「いや、さやかがずっとそう言ってた……」

「さやかが?」
 俺の出した名前に元樹はかなり怪訝な表情を浮かべた。
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