パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
「さやかが俺と咲良が付き合ってるって言ったのか?」

「ああ」
 俺の返事を聞いて、元樹は「くそっ」と声を荒げた。

「兄貴、ひょっとして俺が咲良を実家に連れて行っていた時から、咲良のこと知ってた?」
「……ああ」

 今さら隠しても仕方がないと肯定すれば、元樹は納得したような表情を浮かべる。

「はめられたんだよ。兄貴も俺も」
 元樹の言葉をただ俺は黙って聞いていた。

「咲良はずっと兄貴を思ってた。あのパーティーの日、咲良は兄貴を忘れるために俺が連れて行ったんだよ。兄貴は女癖がいいとは言えなかった。だから俺はずっと反対していた。忘れるために一度だけ会いたいって、そう言ったから咲良と一緒に行ったんだよ」
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