パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
「ありがとう」

 そんな私の気持ちなどわかるはずのない弥生は、りんごを手渡してくれる。

 ギュッと小さな身体を抱きしめる。
 どうしよう。やっぱり断るなら早くしなければ。

 毎日考えが変わり、結局何も決められないまま時間だけが経過していった。


しかしいきなり彼が尋ねてくるより、両親も初めから知っていた方が気持ちの整理もつくはずだ。きちんと話さなければ、そう思い私は機を見計らっていた。

 いつものように食事の席で弥生も一緒に楽しく過ごしていた時、私はなんとなく背筋を正した。

「お父さん、お母さん」
 いきなり改まって呼んだ私に、弥生と笑いあっていたふたりは、驚いたように私を見た。

「どうしたの?」
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