パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
「あの……」

 どう説明すればいいかわからず口ごもってしまう。でも、いきなり恭弥さんが現れたらどうなるかわからないし、自分のことはきちんと伝えるべきだと思いなおす。

「次の日曜日なんだけど」

「うん?」

 まだそんなに重要な話だとは思っていないのか、弥生の口を拭きながら片手間に母が返事をする。
「弥生の父親が挨拶に来たいって言ってるの」

 そこで、父が今にもお茶を吹き出しそうなほど、狼狽したのが分かった。

「父親って、何? 今頃どうして……」
 いつも穏やかな母ですら、声が上ずっている。そのことからも話す順番を間違えたことに気づく。
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