君に、振り向いてほしいから

nightのアジトで  side瑠水

目を覚ますと、真っ白な天井が目に入った。

どうして私、こんなところに?

えっと……。病室で本を読んでいたら、外が騒がしくなって……。男の人たちが入ってきて……。

駄目だ、あとは思い出せない。

脱出しようかと思ったところで、きれいな声が耳に届いた。

「あ、起きた?おはよう」

「……誰、ですか?」

私が寝かされていたベッドの横に座って本を読んでいた彼は、小さく微笑んだ。

「俺?そうだ、言ってなかったね。俺は空橋輝夜(そらはしかがや)。nightの副総長です」

night……?nightって、瑠花が敵視してたグループ?

だとしたら、結構やばいんじゃ……。

空橋先輩は私の反応を見て不思議そうな表情をし、次の瞬間には納得したように微笑んだ。

「あ、もしかして不安だったりする?前、君のお兄さんが入ってきたけど。会いたい?それとも、ななほが良い?」

『君のお兄さん』って……。璃空にい?

それに、ななほって雲母さんかな?

瑠花が、nightに送り込んでた子?

それより、どうしてnightの副総長が目の前にいるの?

会いたいって聞いてくるってことは、ここはnightのアジト?

「おい、輝夜。何してるんだ?さっさと瑠水を連れてこい」

部屋の外から声がした。

空橋先輩は困ったように私をみて、そっと立ち上がった。

「……行こうか、瑠水ちゃん」
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