君に、振り向いてほしいから
取り敢えず空橋先輩についていくと、部屋の外には知らない男の人が一人と、璃空にいと雲母さん、琥珀さんと翠さんがいた。

璃空にいは私に気づくと、小さく微笑んでくれた。

「瑠水だな。俺は羽宮嵐(うみやあらし)、nightの総長だ。お前のことを知ってると思う奴らを集めたんだが……」

羽宮先輩はすこし眉のはしを下げ、私を見た。

「心当たりあるか?」

「はい」

「良かった。じゃあ、俺らは行くから、ゆっくり喋っておいてくれ」

どうしよう、私の置かれている状況が分からない。

人質にとって瑠花たちが動くのを待っているのか、ただ私をnightに入れたいのか。

どっちなんだろう?

考え込んでいると、静かな声が聞こえた。

空橋先輩と似ている声。

「あれ、輝夜、嵐さん。何してるの?」

king(キング)。どうしたんだ?」

「最近、輝夜と嵐さんがこそこそ何かしてたから、何してるのかなって」

king?誰だろう?羽宮先輩よりも年下?

羽宮先輩は私を見ると、kingさんに小さく話しかけた。

「king、この子は瑠水だ。後で詳しく話すから、自己紹介してやってくれ」

「あ、ごめん。僕は、nightのkingです。中三です。ごめんね、本名は名乗れないんだ」

王様ってことかな?総長とは違うのかな?
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