君に、振り向いてほしいから
そのとき、ドアがノックされた。

「瑠水さん、お食事です」

……誰?

璃空にいがドアを開けると、そこには凛とした雰囲気の女の子が立っていた。

「あ、私は、nightのqueen(クイーン)です。中2です」

中2?私の一つ上なのに、こんなにしっかりしてるんだ。

そもそも、queenって何だろう?

「瑠水ちゃん、queenは、kingを支える存在なんです。night(ここ)の中では、kingの次に大切にされるんです」

「queenさんって中2ですよね?それでqueenって凄くないですか?」

素直に感心する。

すると、ななほちゃんが自慢げに胸を張った。

「そうですよ!queenは凄いお方です。他にも、nightにはあと三人、女の子がいるんです。三人とも、次期queen候補なんですよ!ね、queen」

「そうですね、ななほ。瑠水さん、私のことはななほのように『queen』とお呼びください。良ければ、彼女たちを呼んできましょうか?」

「呼んできてあげてください!」

私よりもさきにななほちゃんが答え、queenは小さく微笑んで去っていった。

ななほちゃん……。随分と、queenに懐いているようだけど……。

大丈夫かな?

私と同じことを思ったのか、不意に琥珀さんが眉をひそめた。

「ななほ、queenと仲良くなるのは良いけど、注意しろよ」

「はい。ななほ、注意しときます!」

「おまたせしました、瑠水さん」

開いていた扉から、queenが小さい子を三人連れて入ってきた。
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