君に、振り向いてほしいから
「幼なじみを取られて黙っとけるやつがどこにいるんだよ!?瑠水を渡せ!」

「あのさ、如月くん。うるさいんだけど。騒ぐなら外でしてくれない?迷惑なんだけど」

ずっと黙っていたkingも柊くんを睨んだ。

これには柊くんも怯んだようで、眉のはしを下げて逃げていった。

璃空にいはため息をつくと、kingたちを見つめた。

「許してやってください、king。柊、よくも悪くも諦めが悪いんです」

「ううん、良いよ。君は悪くないんだから。それよりも、瑠水ちゃん。如月くんは、Luciferに入ってるの?」

「……おそらく、入っているかと。入っていなくても、直に入ると思います」

柊くんは、やると決めたらやる人だから……。

いつもは、柊の三つ子のお兄ちゃん、椿(つばき)くんと、弟、(いつき)くんが止めるはずなんだけど、今はいないな……。

私を取り戻そうと決めたのなら、同じような目標を持っている人たちの中に入るはず……。

kingは何を思ったのか、にやりと微笑んだ。

「……じゃあ、Lucifer(あいつら)と戦うときも近いね」

「それは、どういう考えで?」

「うん、おそらく、如月くんはLuciferに入るでしょ。水潮さんたちなら、取り返しに来るだろう。丁寧に、予告状をこっちによこしてね」

怖……。流石、kingしているだけあるなぁ。

kingは私に近寄り、肩をむんずと掴んだ。

「瑠水ちゃん、君も戦場に行ってもらうからね。今から、輝夜と嵐さんに稽古してもらおう」
< 20 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop