君に、振り向いてほしいから
「……輝夜」

どうして輝夜が?

県外の学校に行ったはずじゃ?

僕の疑問を読み取ったかのように、輝夜が小さく微笑んだ。

「実は、俺、ここに入学したんだよね。県外の学校に行ったってのは、真っ赤な嘘。ところで、お前、風紀委員に興味ないか?」

手をひかれ、部屋の外に出る。鍵を締めたあと、輝夜は大きな建物に向かって歩きだした。

これ……。ずっと家から見えてた建物だ。

満珠学園内に建ってたんだ……。

迷いなく入る輝夜に続き、中に入る。

一番に、落ち着いた白と黒の家具がおいてある部屋が目に入った。

すぐに奥に向かう輝夜に続く。

彼はドアを開けて、中に入るように促した。

中に入った途端、大きな拍手に包まれた。

「いらっしゃい、聖夜くん。話は聞いてるよ。僕は白鈴叶多(しらすず かなた)、宜しくね」

「king、本名は言うなってあれほど言っただろ」

輝夜が白鈴先輩を軽く睨んだ。

輝夜と白鈴先輩は同い年?そうだとしたら、中二?

それに、kingって?

白鈴先輩は優しく微笑み、僕に手招きして二階へ上がった。

階段をあがってすぐの部屋に入る。

椅子に座った僕は、暴走族・nightとLuciferについて知らされた。

叶多さんは、nightの絶対的トップ・初代kingらしい。

そして、輝夜はnightの初代副総長。
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