君に、振り向いてほしいから
「ねえ、君。nightに興味ない?」

その子は驚いたように目を見開いた。

nightを知ってる先生は、その子に声をかけて先に行ってしまった。

「朝陽」

「お姉ちゃん!」

その子の顔が嬉しそうに微笑んだ。

やっぱり、妹なのかな?

優日ちゃんから説明を受けたその子は、僕の方を見て小さく微笑んだ。

「私で良いのなら、queenしてみたいです」

「ありがとう!宜しくね、朝陽」

朝陽が目を大きく見開いた。

優日ちゃんも目を大きく見開く。

「聖夜が女の子を呼び捨てするなんて意外です。ね?」

「ああ。優日のことも呼び捨てしていなかったのに」

そんなに意外かな?

朝陽は年下だから、呼んでみたんだけどな……。

それより、邪魔になってるかも。

今僕たちが立っているのは、体育館の出口の前。

絶対邪魔だよね。

思ってる矢先、後ろから声をかけられた。

「おい、night。邪魔だ、どけ」

「水潮……!」

輝夜が大きく目を見開いた。

水潮?誰だろう?

もしかして、叶多さんから聞いたLuciferの総長?

振り返ると、眉をひそめたきれいな男の人が立っていた。

この人が、Luciferの総長……。

彼は僕の後ろにいた朝陽をちらりと見て、不思議そうに自身の後ろを見た。

「おい、凪。あいつ誰だ?」

水潮さんの後ろから現れたのは、優しげな雰囲気の男の人だった。
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