君に、振り向いてほしいから

nightのqueenに     side朝陽

私はずっと、満珠学園に入学するのが夢だった。

一つ上のお姉ちゃん・優日が満珠学園に入学し、話を聞くうちに、憧れが強くなっていった。

お姉ちゃんが前に帰ってきたとき、nightっていう暴走族のqueenになった、って嬉しそうに笑っていた。

優しくて明るいお姉ちゃんが私は大好き。

だったけど……。

queenになってからのお姉ちゃんは、週末にも帰って来れなくなった。

電話で話したりはしているけれど、やっぱり寂しい。

でも、幸せそうなお姉ちゃんを見てると、寂しいなんて言えなくなる。

お姉ちゃんから電話がかかってきた。

「もしもし?」

『もしもし、朝陽?』

「うん、どうしたの?」

スマホの向こうで、お姉ちゃんが少しいい淀む気配がした。

なんだろう……、言いにくいことかな。

『私、明日にnightのkingを連れてそっちに行くね。楽しみにしてて、おやすみ』

ぷつっと通話がきれた。

お姉ちゃん、様子がおかしい。

来ることはお母さんに行っておこう。

リビングの扉を開け、ソファに座ってテレビを見ていたお母さんに駆け寄る。

「お母さん!」

「どしたの、朝陽ちゃん?」

「お姉ちゃんが、明日、nightのkingと一緒に来るって!」

お母さんの顔がみるみるうちに笑顔になる。

お姉ちゃんは、お母さんから好かれていた。
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