君に、振り向いてほしいから
瑠花ちゃんは軽く僕たちを紹介すると、飲み物を取りに病室を出て行った。

「瑠花の先輩方ですね。急でしたよね、すみません」

「ううん、僕らも瑠水ちゃんに会えて嬉しい」

瑠花ちゃんの妹……瑠水ちゃんは、くすぐったそうに微笑んだ。

可愛い……。

他愛のないことを話していると、瑠花ちゃんが飲み物片手に戻ってきた。

「おまたせ、瑠水。いちごミルクで良いよね?先輩たちにはコーヒー持ってきたんですけど、これで良いですか?」

瑠花ちゃんの言葉に、波が大きく頷く。

瑠花ちゃんは柔らかく微笑み、僕たちに飲み物を配ってくれた。

「瑠水ちゃん、いちごミルク好きなんだ?」

「はい!何度飲んでも飽きないです」

「そうなんですよ!聞いてくださいよ、波先輩。瑠水、毎日いちごミルク飲んでるんですよ!」

瑠花ちゃんが瑠水ちゃんを軽く睨む。

睨まれた瑠水ちゃんは視線をそらし、笑顔で海を見た。

「海先輩は、好きな人いるんですか?」

途端、海の顔が赤くなる。

瑠水ちゃんと瑠花ちゃんは顔を見合わせ、きらきらした瞳で海を見つめた。

恋バナが好きなところを見ると、やっぱり女の子なんだな、と思う。
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